仕上がりの違いに大きく影響する糸調子、みなさんは日々どのように調整されていますか?
微妙な力加減など 感覚に頼る部分が多い作業は、一般的に定量化・数値化することが困難です。今回は、糸調子を測定できる機器「デジタルテンションゲージ」についてご紹介します。

糸調子(テンション)とは

糸調子(テンション)とは、糸を引っ張ったときの抵抗値のことをいいます。
糸調子がしっかり合っていないと、縫いや刺繍の仕上がりに影響するため、しっかりと合わせることが重要です。適正値は、使用する糸や生地の種類によっても異なりますが、以下数値が標準的なテンション値となっています。縫い上がり状態を確認しながら、必要に応じて調整してみてください!

糸の種類 標準的なテンション値
上糸(レーヨン) 110~130 g
上糸(ポリエステル) 100~110 g
下糸 30~35 g

デジタルテンションゲージとは

テンション調整は感覚に頼る部分も多いため、「どれくらいの強さで調整すればいいのか分からない……」と悩む初心者の方や、「オペレーターごとに技量が異なり、設定のばらつきを感じている……」と困っている生産現場の方も多いのではないでしょうか?

そんな方におすすめなのが「デジタルテンションゲージ」です!
デジタルテンションゲージとは、糸調子(糸を引っ張ったときの抵抗値)を測定できる機器です。下糸、上糸それぞれの抵抗値を数字で表してくれるので、安定したテンション設定が可能になり、作業効率もグッとアップします。

タジマ刺繍機のラインナップには、特に感覚や経験に頼りやすい”上糸のテンション調整”を、
タジマ独自のAI技術 i-TM で自動化した「TMEZシリーズ」があります!
刺繍ビジネスをこれから始める方はもちろん、多品種小ロットで多様な素材やデザインを扱う現場にも最適な一台です。

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デジタルテンションゲージの使い方

準備① 電源スイッチの長押しで電源を入れ、測定するレンジを選択する

準備② 再度電源スイッチを押して、数値をリセットする

上糸の計測方法

①上糸ロックから糸を外す

上糸ロックのまま計測すると糸に抵抗がかかって正しい数値が計測できません。計測後には、上糸ロックに糸を通し直すことを忘れないようにしましょう!

②デジタルテンションゲージに糸を通し、右方向に静かに糸を引っ張る

現在のテンション値がモニタに表示されます。

【数値が合わない場合】上糸ノブでテンションを再調整しましょう

下糸の計測方法

①糸を巻いたボビンをボビンケースに入れ、デジタルテンションゲージにセットする

②デジタルテンションゲージに糸を通し、右方向に静かに糸を引っ張る

現在のテンション値がモニタに表示されます。

【数値が合わない場合】ボビンケースのネジを回してテンションを再調整しましょう

・テンションを弱くする:ネジを緩める(左回し)
・テンションを強くする:ネジを締める(右回し)


本記事では、糸調子を測定できる機器「デジタルテンションゲージ」についてご紹介しました。

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