プロモーショナル製品業界を牽引するHit Promotional Productsは、タジマ刺繍機の導入により、生産性と効率性の両面で大きな飛躍を遂げました。2024年には米国業界誌 Counselor により「Person of the Year」に選出された同社CEOのCJ Schmidt氏とそのチームに、設備刷新の背景からPulse IDによるネットワーク化、そして今後の成長戦略までを伺いました。 

8億ドル企業Hit Promotional Products、成功の背景にあるタジマとのパートナーシップ 

Hit Promotional Products CEO CJ Schmidt

Hit Promotional Products 
Hit Promotional Productsは1970年代後半に創業し、当初はバックルやキーホルダーといった小物を扱う小規模な会社でした。やがて刺繍事業へと進出し、現在では1000ヘッドを超える設備と年間8億ドル規模の売上を誇る、米国有数のプロモーショナル製品企業へと成長しています。 その裏では、拡大に伴って古い世代の刺繍機の老朽化や部品供給の停止といった課題に直面しました。そうした状況を打開するために選んだのが、ハードとソフトを融合したタジマのトータルソリューションです。タジマ独自のAI技術「i-TM」と、刺繍サプライチェーンの包括支援システム「Pulse ID」の導入により、生産性と安定性が飛躍的に向上しました。これらの技術は、同社の継続的な成長を力強く支えています。

Hit Promotional Productsはどのように成長してきたのでしょうか。

当社は1970年代後半に創業し、当初はバックルやキーホルダーといった小物を扱う会社でした。90年代初頭に家族の友人が経営していた刺繍事業を買収したことをきっかけに刺繍の世界へ参入しました。最初はわずか24〜36ヘッドの規模でしたが、現在では1000ヘッド以上を稼働させ、売上も数千万ドルから8億ドル規模にまで成長しています。帽子やポロシャツの刺繍から始まった小さな事業がここまで大きくなるとは当時想像できませんでした。タジマの機械との出会いが大きな転換点だったのです。 

タジマの刺繍機を導入する前は、どのような課題を抱えていたのですか。 

以前は他社製の刺繍機を使っていましたが、年月とともに部品供給が止まり、修理を繰り返してつぎはぎ状態で維持するしかありませんでした。台数は減り、生産力も落ち、優秀な技術者が必死にメンテナンスしてなんとか稼働を続けていましたが、長期的には限界が見えていました。部品不足によるダウンタイムは顧客対応に直結する大きなリスクでした。そんな中、コロナ禍で業績が伸びたタイミングを活かし、タジマの最新機械へ大規模な刷新に踏み切りました。 

実際に導入してどのような変化がありましたか。 

まず現場で実感したのは、糸切れの少なさと動作の滑らかさです。「i-TM」の機能はオペレーターの負担を大幅に軽減し、新人スタッフでも短期間で操作を習得できるようになりました。その結果、かつて50〜60人を必要としていたトリミング作業は、現在では5〜6人で対応可能となり、労務コスト削減にもつながっています。 

さらにPulse IDの導入により、USBでのデータ移動や手動設定は不要となり、バーコードをスキャンするだけでデザインが反映されるようになりました。これにより糸替え作業が減少し、稼働効率はもちろんクルーの負担も大幅に改善。加えて、ネットワーク化によって機械ごとの稼働状況をリアルタイムで把握できるようになり、将来的にはAIによる最適なジョブ割り当ても視野に入れています。 

導入の効果を具体的にどのように感じていますか。 

タジマ導入前は1日約3万点の生産でしたが、今では5万点に増えました。何よりも大きいのは“安定性”です。納期を確実に約束できるようになりました。また、タジマや米国の代理店Hirsch Solutionsのサポートも非常に優秀です。修理スタッフはすぐに駆けつけてくれますし、部品も国内在庫があるため長く待たされることはありません。Pulse ID導入時も、日本のチーム・Hirsch Solutionsに加え、Tajima Software Solutionsが密に連携し、常に伴走してくれました。 

業界特有のニーズに対して、どのように対応されていますか。 

私たちのビジネスは非常にイベントドリブンです。ある日は動物愛護団体、翌日には自動車修理工場から「明日までに必要だ」という注文が入ることもあります。こうした多様で短納期の要望に応えるには、スピードと柔軟性が欠かせません。 

タジマの機械とPulse IDの仕組みは、その柔軟性を実現する大きな要因です。同じ糸色の注文をまとめて処理できる仕組みや、ネットワークを通じた効率的なジョブ管理によって、多様な案件を同時に処理できる体制が整いました。お客様からの多様な要望に確実に応えられることは、私たちの信頼にも直結しています。 

今後の挑戦についてお聞かせください。 

当社は大規模生産に加え、POD(プリント・オン・デマンド)事業を拡大しています。現在は1日あたり400〜500件の個別注文を処理しており、その数は増加傾向にあります。また、医療用スクラブ市場にも積極的に進出し、オハイオのパートナー企業と提携して1時間程度で納品できる体制を整えました。こうした新規事業の成長に合わせ、今後さらに単頭機を追加し、新たな成長分野での展開を強化していく予定です。 

これらの挑戦を支えているのが、タジマと代理店Hirsch Solutionsとの強固なパートナーシップです。常に現場の声に迅速に応え、改善に取り組んでくれる姿勢は非常に心強く、まさに事業の成長を共に支える存在だと感じています。 



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