世界最大級のカスタム刺繍・エンブレムメーカーであるWorld Emblem。同社は「匠の技」を守りながら、その価値をより多くの製品・顧客へと広げていくために、早くから自動化への取り組みを進めてきました。
その中心にあるのが、タジマグループが提供する「PulseID」です。受注から生産までの刺繍サプライチェーンを効率化するクラウド型包括支援システムとして、複雑だった生産の流れをシームレスにつないでいます。人の感性とテクノロジーをつなぐ「仕組み」によって、同社は世界中の拠点で同一品質の刺繍を実現しています。「オペレーターに依存しない精度」と「スピードの両立」をどのように実現しているのか――CEO Randy Carr氏に、その進化の舞台裏を伺いました。

"匠の技"を拡張する仕組み ─ PulseIDが支えるWorld Emblemの進化 

World Emblem CEO  Randy Carr

World Emblem

アメリカを拠点にグローバル展開するカスタム刺繍・エンブレムメーカー。現在、米国内外に複数の生産拠点を有し、約4,000ヘッドの刺繍機を稼働。アパレルやスポーツウェア、プロモーショナル製品など幅広い分野で、高品質なカスタム刺繍を提供しています。製造の効率化と品質向上を両立するため、早期からデジタルワークフローの構築と自動化技術の導入を推進。その先進的な取り組みが、同社の継続的な成長を支えています。

World Emblemはどのように成長してきたのでしょうか。

当社は、もともとは小規模な刺繍事業から始まり、現在では北米有数のカスタム刺繍・エンブレムメーカーへと着実に成長してきました。アメリカ国内に複数の拠点を構えるほか、イギリスにも生産拠点を持ち、さらにドミニカ共和国での新拠点設立も進行中です。全拠点で約4,000ヘッドの刺繍機を稼働させ、アパレルブランド、スポーツウェアメーカー、プロモーショナル製品企業など、世界中の多様な顧客に製品を届けています。また製造だけでなく、デジタルデザインや物流の内製化にも早くから取り組み、受注から納品までを一貫管理できる体制を整えました。こうした成長を支えてきたのは、品質へのこだわりと安定した生産体制、そして何より顧客との長期的な信頼関係です。

タジマの刺繍機を採用された決め手を教えてください。 

タジマを検討した際に最も印象的だったのは、その高い精度と耐久性でした。全拠点で同じ高品質の縫いを実現するためには、タジマ機による標準化が最適だと確信しました。米国代理店であるHirsch社のサポートも非常に手厚く、導入プロセスはスムーズに進み、運用開始後も安定稼働を維持しています。信頼性の高い技術と強固なパートナーシップ――この2つが導入の決め手であり、今もタジマを選び続けている理由です。現在では新拠点の立ち上げ時も必ずタジマ機を採用し、グローバルで同一品質を維持できる体制を整えています。

TMEZシリーズを導入されて、何か変化はありましたか。

最近、上糸を自動調整するタジマ独自のAI技術i-TMを搭載したTMEZシリーズを導入しました。導入初期の段階から、段取り時間や縫いの安定性に明確な改善が見られています。ステッチの種類や素材ごとに糸調子を自動で最適化できるため、オペレーターの経験に頼る必要がなくなり、新人教育が容易になりました。とくにスポーツアパレルなど伸縮性の高い機能性素材でも安定した品質を維持できる点が大きな成果です。現在は各種素材でのテストを継続し、結果を確認しながら他拠点への導入も計画しています。

「PulseID」の導入がどのような効果をもたらしたか教えてください。

PulseIDは、受注から生産までの情報をつなぎ、作業工程を効率化するタジマグループのクラウド型システムです。当社では、このPulseIDがデジタル生産管理の中枢を担っており、毎日約1万件の刺繍データを自動生成してクラウド上で一元管理しています。現在では200万件を超えるデザイン資産をPulseIDで管理し、受注データを刺繍工程に直接連携させることで、手動設定をなくし、精度と一貫性を確保しています。色替えやネームの差し替えといったパーソナライズ項目も自動処理されるため、オペレーターはデータ入力や確認作業に追われることなく、品質検証や生産計画の最適化など付加価値の高い業務に注力できるようになりました。この仕組みにより、複数拠点でも共通の手順とデータに基づいて同じように生産を進めることができ、場所に依存しない安定した運用体制が整いました。

自動化はクラフトマンシップを失わせるものではなく、誰もがその品質を再現できるようにする仕組みです。タジマの技術によって、私たちはその品質と精度を世界中に届けることができるようになりました。PulseIDは“匠の技”を守りながら、それをスケールさせる仕組みとして機能しています。

今後、タジマとのパートナーシップに何を期待されていますか。 

私たちは、タジマが今後どのようにデータ、AI、自動化を製品やサービスに融合させていくのかに大きな期待を寄せています。これらの技術は刺繍業界の進化に欠かせない要素であり、その変革をリードする存在としてタジマに注目しています。グローバルに展開する当社の生産現場とタジマのテクノロジーをより密接に連携させることで、設計から生産、品質管理までをシームレスにつなぐ仕組みを共に築いていけると考えています。技術面でもビジネス面でも信頼できるパートナーとして、これからも共に成長していきたいと思います。



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